SFC七夕祭・花火のお話

SFC　七夕祭－花火のお話

----１３章　湘南の空-----

　打っているいるときのことはほとんど覚えていない。打ち上げの音で遠くなる耳にはいってきた花火の音。そして目の前に火の粉があがっている風景がその時の唯一の記憶である。

　無我夢中でうって、最後の10連発に火をつけた後、やっと上をむけた記憶がある。環状に束ねられた筒から、10連発が次々と空に上がっていく。湘南の曇天に次々と花火が開いていった。

　天の川は、その雲の上に流れている。1992年の7月の夜のことである。

「終章」