SFC七夕祭・花火のお話

SFC　七夕祭－花火のお話

----3章：いざ浅草橋へ------

　私はその後に鳥居さんに聞いた。「これはどこで手に入れればいいんですか？」と。鳥居さんは「これは浅草橋の花火屋で買ってきたよ」とだけ教えてくれた。

　浅草橋。一つきっかけができた。といっても、静岡出身で藤沢在住の私にとって浅草橋など何処にあるかわからない。浅草＝浅草寺ぐらいしか認識がない典型的な田舎物なのだから。でも大学生だから時間はたっぷりある。とにかく行ってみることにした。

　浅草橋駅というのは、藤沢から東海道線で東京へ行き、そこから山手線で秋葉原、そして総武線に乗り換えて1駅であることはわかった。記憶が正しければ10月の慶明戦を神宮で観戦した帰りに寄ったと思う。信濃町から中央・総武線に乗り、御茶ノ水で乗り換えて東京駅へ。東京駅は大学受験以来だった。東京駅で山手線へ乗り換えて一度も来たことがないけど名前は知ってる秋葉原へ。秋葉原から総武線で浅草橋へ向かった。信濃町から中央・総武線に乗ったままならば、東京駅にいかなくても浅草橋にいけることに気づいたのはそれからしばらくしてからだ。

　秋葉原から浅草橋まではあっという間、ホームに降りてまず降り口をさがす。どうやら進行方向の一番前に出口があるらしく、そちらにむかって歩いた。長いホームの端っこに、浅草橋駅の出口がある。

　「ああ、浅草か・・・」田舎物の私にとって浅草橋といえども浅草なのである。駅の降りると大きな通りに問屋が並んでいた。人形の久月があったのを覚えている。

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